シスメックスのものづくり

エンジニアに聞く

ものづくりの喜びを求め、家電メーカーから転職。

僕はシスメックスに転職するまでは、家電メーカーで家庭用掃除機の筐体設計を担当していました。コンシューマー製品をつくりたいという思いから選んだ仕事でしたが、キャリアを重ねるにつれてひとつの疑問が僕の中で大きくなっていったのですね。それは「自分は本当にユーザーのニーズに対応した製品を作れているのかな」というものでした。新製品は毎年のように出ます。ただそれは、バイヤー受けがいいだけの、ユーザーが本当に必要としている機能とは別もののような気がしていました。

そして、もうひとつ。僕は開発設計という立場でしたが、家庭用掃除機は成熟製品ということもあって、要素開発のウェイトは低い状態でした。新しい製品をコンセプトから最終形態まで考えるものづくりの醍醐味を味わいたい、という欲求が僕の中にわいてきていました。そして、「今とは違う環境で、改めてエンジニアとしてものづくりに打ち込みたい」と決心をして飛び込んだのがシスメックスでした。

医療関係の分野にこだわりがあったわけではありません。ただ、会社としてグローバルな成長力があり、まだまだ伸びる可能性を秘めている。そこでのものづくりなら、新しいことにもどんどんと挑戦していけそうな気がしたのです。

シスメックスは検体検査に使われる機器や診断薬を開発・製造・販売しており、検体検査領域の売上高グローバルトップ10に入る唯一のアジア企業として、世界170ヵ国以上に製品・サービスを届けています。
検体検査というのは、血液や尿を採取して健康状態や病気の治癒状態を調べる検査のことです。シスメックスは赤血球や白血球の数や機能を調べる検査に用いられる血球計数検査装置の分野で世界シェアNo.1を獲得しているメーカーなのですが、僕自身入社するまではまったく馴染みのない分野でした。装置を初めて見たのも入社してからです。シスメックスの検査装置が導入されている病院や検査センターで、検査技師たちが実際に操作する現場を見学したりもしましたね。

特注品になれば、開発エンジニアが営業と同行して納品現場にいくこともよくあります。検査技師やドクターたちが、どういう装置を必要としているのかというニーズを聞くことができるし、自分の仕事がそのなかでどんな意味を持つのかを働きながら実感しました。

限られた分野に使われる製品だからこそ、ユーザーとの接触点は多い。入社してみて、改めてそのことを学んだ気がします。

システム開発部第一グループリーダー 高井 啓 1979年生まれ。工業高専で機械工学を専攻。
1999年、家電メーカー入社。
主に家庭用掃除機の開発に従事。
2006年4月、シスメックスに転職。

エンジニアとしての引き出しが増える、
周辺技術との融合。

シスメックスのものづくりに必要不可欠なものは、電気、機械、ソフトウェア、流体、光学、試薬開発などの様々な技術分野の融合です。エンジニア一人ひとりが専門の技術を持つものの、異なる分野の技術についても興味や関心を持って知識を身につけていかなければスムーズなコミュニケーションはできません。

僕は機械のエンジニアなのですが、入社後は医療機器の機構設計を最適化するために、モーターやセンサーを電気的にどうやって動かしているのかを把握する必要がありました。家電に比べて基板の数も多いですし、システム制御や配線も複雑でした。これを一つひとつ理解していくことからはじめ、機構部の制御系ソフトウェアに使われている社内独自のシーケンス言語や、UIで使用されているWindowsアプリなど、機械エンジニアが連携を考えなくてはならないことがたくさんありました。社内の研修会やほかのエンジニアに自分から話を聞きに行って知識を少しずつ増やしていきましたね。

今は搬送装置の開発をしているのですが、分析装置の設計を担当した場合には、血液検査で不可欠のCBC8項目(白血球数、赤血球数、Hb、Ht、MCV、MCH、MCHC、血小板数)のデータがどんな意味を持つのか、といったことも理解しておかなければなりません。エンジニアとして未知の技術に対する好奇心さえあれば、どんどんと自分の技術のすそ野を広げていけると思います。いずれは開発全体を見ながら最適なシステムを設計できるエンジニアになることを目指しています。

まったくの異業界に飛び込みはしましたが、家電のエンジニアだった経験が活かせた部分もあります。成形品を組み合わせる設計は場数を踏んでいましたので、つくるものが変わっても応用することができました。あとは、シスメックスでは図面が膨大なので開発者自ら書くことはあまりないのですが、前職では自分で書いていました。それはそのまま的確な図面作成の指示を出せることにつながっています。
シスメックスのものづくりは様々な技術の融合を図りながら、数年にわたり進めることもあります。ですので、じっくりとひとつの製品に取り組みたいというエンジニアには向いているのではないでしょうか。


pagetop